あしたへの道

日々の雑記

いつも心に

恩師である大学の先生が講義の中で紹介してくれた文章です。

これを常にメモとして持ち歩いてます。

是非、ご一読ください。

 

 


「ジャン・セリム・カナンへ」妻・ラウラ・ドルチェ・カナンの弔辞(2003年8月)
愛する貴方よ
言うべきことはまだ沢山あるようで、殆ど無いのかも知れない。貴方の前で、今日、貴方の伴侶として、またマティアセリムの母として、貴方との繋がりの最高の成果、この子について語ろうと思う。この子を身ごもり、貴方と私は、より良い世界への深い希望を得たから。二人の人生、そして人類への信頼を得たから。マティアセリムは、貴方への、私たちの人生の賛歌。
2月、まだ二人がニューヨークに住んでいて、貴方はジュネーブに新たな道を探しに出ていた。貴方は、おなかのこの子の健康状態と性別を診断する前日、この子に宛てて、長い手紙を書いてきた。私は、お腹が大きい間、その手紙をこの子に大きな声を出して呼んで聞かせていた。その手紙はこう結んでいた。

「男の子であろうと、女の子であろうと、頭がいい子であろうとなかろうと、美しい子であろうとなかろうと、いつも人々の見る目によって異なる基準よりも、僕にはもっと大切なことがある。君が真の美しさを身に付けることだ。物事をいつも正しく感じ取る人々が大切にしてきた、あの美しさ、それは人が目で見るとはできない。僕は神に祈る。君が平和と喜びの子となるように。人々に、とりわけ最も虐げられた弱い人々に、いたわりと優しさを持った子となるように。輝くものが全て金ではないことを、すぐに見分けられる子となるように。ラウラと僕は、寛容と、他の人々への敬意と、そして手っ取り早い解決のために暴力に訴えることを拒否することを、君に教えられたらと願う。君がいるところ、行くところ、暖かさと優しさを残せるように。君が人々の悲しみを慰め、元気を高めることができるように。いつも、君が正しいと信じることに、威厳を持って、勇気を示し、高い大きな声で語れるように。君が逆境にあって、多くの人々が君を非難するとしても、頭を低めてはいけない。君を愛する人々の目を、自分は常に善を求めてきたのだという
確信をもって、見つめることができるように。そして善を求めるとは、それが誰であれ、
他人を愛することなのだ。わが子よ、重要なのは君が幸せなこと。君が楽しくかつ非凡な人生を送ること。君が人を愛するように、君が愛されていると思えること。そしてなにより自由を感じること。」
愛する貴方よ
私は、貴方と一緒に出来たはずであったように、マティアセリムを育てるため、私に出来る限りのことをすることをあなたに約束する。マティアセリムは、安らかな子供時代をすごし、貴方がどういう人であったかを学びながら育ち、貴方の魂に力付けられていくだろう。貴方の魂は、常に私達とともにあるのだから。貴方の前にいて、私達の友人達へ、私達を愛してくれている家族へ、私は力を添えてくれるようにお願いしたい。今日、明日、そしてマティアセリムが人生を過ごす、あらゆる季節においてこれらが実現していくように。